交通事故施術

交通事故には「人身事故」と「物損事故」の2種類があります。
人身事故は、人の生命・身体に損害が発生した交通事故です。
一方の物損事故は、物に損害を与えてしまった交通事故をいいます。

●交通事故が起こりやすい状況

・追突
・出会い頭の衝突
・右折、左折時の衝突
・正面衝突

などが挙げられます。

また、自動車同士の事故以外にも、自損事故、物損事故、自転車・バイクによる事故などもあります。

●事故時に多い外傷

交通事故で発生しやすいケガには、以下のものが挙げられます。

・むちうち(頚椎捻挫)
・打撲
・骨折
・脱臼

などです。

特に交通事故のケガのなかでも、「むちうち」が最も多いといわれています。
むちうちの症状や特徴については、以下にて詳しくご紹介いたします。

事故直後は特に異常がなくても、時間が経ってから痛みを感じ始めることがあります。
負傷しているにもかかわらず痛みを感じにくい理由には、主に次の2つが考えられています。

●事故直後で興奮状態のため

事故のショックで脳が過剰に興奮し、アドレナリンの分泌が促進されます。
アドレナリンには鎮痛作用があるため、ケガをしていても痛みを感じにくい状態になることが考えられます。

●腫れや内出血が遅れて出てくるため

突き指や打ち身といった、身近なケガを思い浮かべてみてください。
時間が経ってから徐々に患部が紫色に腫れてきて、痛みが強まる経験をされたことがあるのではないでしょうか。
むちうちも同様に、数時間〜数日と時間が経ってから患部が腫れてきて、痛みが遅れて出てくることが考えられるのです。

交通事故後、痛みを感じないからといって放置しておくと、後遺症が発生してしまうリスクがあります。
そのため交通事故後は、すぐに医療機関に行くことをおすすめします。

むちうちは、頭が揺さぶられることで首（頚椎）に負担がかかり、痛みや不調を生じる外傷です。
強い衝撃によって、受傷時に首が鞭のようにしなることが名前の由来になります。
正式には「頚椎捻挫」や「外傷性頚部症候群」などと呼ばれています。

●むちうちの症状

むちうちの症状は、大きく5種類に分類されます。
それぞれの特徴と主な症状について、ご説明します。

・頚椎捻挫型

頚椎（首の骨）の靭帯や、関節の軟部組織が損傷を受けることで発症します。
むちうちの多くが頚椎捻挫型に分類されるといわれています。
首や肩、背中にかけての痛みが主な症状です。

・神経根症状型

脊髄から枝分かれしている神経根の圧迫が原因で、症状が現れます。
主な症状は、肩や腕の痛み、腕や手指のしびれなどが挙げられます。

・バレ・リュー症候群

頚部の交感神経が損傷したり、過度な緊張状態になったりすることで発症します。
主な症状は、頭痛やめまい、吐き気、倦怠感などです。

・脊髄症状型

頸髄を損傷することで発症します。
主な症状は、手足のしびれ、放散痛、歩行障害などが挙げられます。

・脳脊髄液減少症

脳脊髄液が漏れ出ることで、発症します。
頭痛や倦怠感、視覚・聴覚障害などがみられることがあります。

むちうちの多くは、3ヶ月程度でおおむね回復し、6ヶ月ほどで完全に改善するといわれています。
しかし、放置した場合は痛みが改善しないだけではなく、肩こりや腰痛など、その他の身体の痛みや不調を引き起こす原因になることがあります。
さらに、むちうちの症状が悪化してしまうと、筋力低下や血液循環の悪化など、普段の生活にも支障をきたす場合があります。

後になって「しっかり診察を受けておけば良かった」とならないためにも、早めに医療機関での診断を受けましょう。

自己負担を減らして、安心して治療や施術を受けられる方法の一つに自賠責保険があります。
こちらでは、自賠責保険について、適用となる状況や注意事項などを詳しく説明していきます。

●自賠責保険とは

自賠責保険（共済）は、交通事故の被害者を救済するための保険であり、加害者が負うべき経済的な負担を補てんします。
原動機付自転車（原付）を含むすべての自動車に加入が義務付けられている、国の強制保険です。

●適用される状況

自賠責保険の適用となる状況については「対人賠償のみ」になります。

・後方から追突されて、むちうちになった
・右折してきた自動車と衝突し、打撲した
・青信号を歩行中にバイクと接触して、骨折した

などです。

また、対人賠償以外でも適用可能となる任意保険がありますので、のちほどご紹介します。

●自賠責保険の注意事項

被害者として自賠責保険を整骨院・接骨院で適用する場合について、注意事項をご説明します。

・交通事故によるケガの施術で自賠責保険を使うためには、警察に人身事故であることを証明してもらう必要があります。
・保険金を受け取るためには、医師による診断書が必要です。
・自賠責保険の場合の通院慰謝料は、現在1日あたり4,300円となっています。
・施術期間と実施術日数によって決められますが、全体的な補償内容としては治療費・施術費・交通費・休業損害・慰謝料など含めて限度額が120万円と

なります。

自賠責保険では補いきれない損害をカバーするために、任意保険があります。
一般的に自動車保険と呼ばれているものです。
幅広い状況で保険適用になる、任意保険について確認していきましょう。

●任意保険の補償内容

任意保険には、大きく分けて3つの補償があります。

・事故の相手（人や物）に対する補償

対人賠償保険と対物賠償保険があります。
相手方の「人」に対する補償と、相手方の車など「物」に対する補償です。

・ご自身・同乗者への補償

人身傷害保険、人身傷害定額払保険、搭乗者傷害保険、自損事故保険、無保険車傷害保険があります。

・車の補償

車両保険になります。
車両保険とは、自分自身の車に対する保険です。

なお、交通事故で治療費や慰謝料を相手方に請求するには「治療期間や治療内容、治療の必要性・相当性が認められる範囲内である」ということが証明できなければなりません。

自賠責保険の施術はこんなケースでも受けられます。

・相手に追突された
・自分で相手の車に追突した
・知合いの車に同乗中に事故にあった
・自転車に乗っていて車に追突された

●よくあるご質問

１．施術期間はどれくらいか？

平均的な施術期間は、３カ月～６カ月です。
症状の経過などによって異なります。
6ヶ月以上の施術が必要となる場合は弁護士に依頼することをおすすめします。
当院は提携している弁護士がおりますのでそういったご相談も受け付けております。

２．施術費は？

算出方式は２種類あります。
例）7月1日に事故に遭い7月1日から6ヶ月間（180日とする）の施術期間を要した場合
（このうち実際に施術に通った日数は40日間。これを実施術日数とします）
①施術期間180日間×4,300円＝688,000円
②実施術日数40日×2×4,300円＝774,000円

上記の場合、①の方の金額が低いため①が採用されます。

３．交通事故に遭ったら何をすればいいの？

１、警察に連絡し現場検証をする
※警察が介入しないと、人身事故扱いになりません。
２、保険会社に連絡する
３、医師の診断を受ける
４、接骨院で施術する旨を伝える